|
頸部食道ガンを発見、手術しか治らないといわれて
20年来声帯にポリープがあることは分かっていましたが、昨年9月に近くの病院で医者の勧めもあり思い切って
手術を受けました。ところが、ポリープは消滅したものの期待したほど発声が改善されず、また手術後、
まもなくして物を飲み込む時に痛みを感ずるようになりました。手術の際の病理検査では咽頭部の組織が異形成
(一種の前ガン症状)であるとの診断でした。知人に都内のK大学病院を紹介され、耳鼻咽喉科で本年1月に
検査をしました。けれども、耳鼻咽喉科関連ではガンは発見されませんでしたが、更なる精密検査の結果、
頸部食道ガンであることが判明しました。ガンの進行状況も第3期で5~7cmくらいの大きさで速やかな
治療が必要な状況でした。そして、食道外科の権威といわれる教授は「これを直すには手術しかなく、その場合には
声帯を失うことになる」と言うのです。
私は、医者の言うことを鵜呑みにせず、本を読んだり情報を集めたりしました。すると、声帯を失っても声を出す
患者の会などがあることも知りました。また、放射線科の医師である近藤誠先生の『患者よ、がんと闘うな』という
本にも大いに興味をそそられました。そこで、声帯が温存できる放射線治療で治らないだろうかと思いました。
外科の医師に言わせると、放射線では根本治療は無理との見解でした。そのことを当大学病院の放射線科にも伝え、
放射線科としての見解を聞きました。それによると、当大学病院での放射線治療は患部に直接管を入れて放射線を
照射する方法を採っており頸部の場合には、非常に苦しいため全身麻酔をせねばならず、効果的な治療には最低
週2回は照射が必要とのことだが、週2回の全身麻酔は体力の消耗が激しく無理だとの結論でした。
それでやむなく手術を受けることにしたのですが、外科病棟のベットに空きがなく、1月16日に当大学病院に入院
(耳鼻咽喉科の患者として)、2月9日にようやく外科病棟に移り、最終的には手術は2月24日に決定しました。
陽子線治療を受けることに心を決める
そんなとき、ロサンゼルスの友人から、陽子線照射(放射線の一種)というガンの治療法があることを教えてもらった
のです。日本では筑波大学で行なっているというので、先生の名前を調べ、早速電話をしてみました。すると、K大学の
診断資料を持って来てくださいと言われました。翌2月18日、私と妻は一縷の望みを抱いて、筑波まで出かけたのでした。
先生は、陽子線を当てる治療は一種のやけどの状態になり、組織細胞を傷めることもあり最悪の場合手術せざるを得ず、
外科医と連絡を取ってやる必要があるといわれ、外科担当医と打ち合わせをされました。そして2月20日に先生から
「陽子線治療をやってみましょう」と自宅に電話があったのです。私も腹を決め、陽子線治療を受けることにし、
その日にはK大学病院を退院しました。
3月3日から、高エネルギー物理学研究所で、陽子線治療を受け始めました。照射時間はわずか2、3分です。
痛みも熱くもありません。これを12日まで8回繰り返しました。陽子線を発する装置は文部省管轄で病院専用ではなく、
他一般企業も使っています。ですから常に医療に用いられるわけではないのです。病院が使えない13日以降は
通常の院内放射線治療を行ないながら、4月の陽子線治療の再開を待ちました。結局、陽子線治療は計22回、
院内放射線治療は23回、合計45回で約80グレイの照射を受けました(人体に許される最高照射量には限度がある)。
その後、5月中旬に退院し、1ヵ月後の最終診断を待つことになりました。
6月になって内視鏡、CTスキャン、病理検査を行ないました。そして、先生が「8割方はよくなっていても、100%は
無理だと思っていたけれど、完治しています。これは奇跡ですね」と言ってくれたのです。その言葉を聞いたとき、
本当に、うれしかったですね。
姫マツタケを飲んで体の免疫力を高める
ガン細胞ができたということは、体のほかの部位に散らばっている可能性があります。そこで、免疫力をつけて
本来の体に戻しておこうと考えました。免疫力を高め、ガン細胞に働きかける姫マツタケのことを知ったのは、
2月の半ばのことでした。通販などで取り寄せたり、色々なところで入手しましたが、日本食菌工業の姫マツタケを
飲むようにしました。その頃は手術を受けるつもりでしたので、濃く煎じたものをできるだけたくさん飲みました。
もちろん、筑波に行ってからも、毎日、飲んでいました。妻は筑波にアパートを借りて、煎じてくれていましたから。
私の場合、陽子線治療と姫マツタケとの相乗効果でガンを撃退できたと思っています。先生が驚くぐらい早く、
しかもきれいな治り方だったのですから。
今振り返って言えることは、患者も病気について勉強するべきだということです。そうしないと、医者の言うことに
ついて判断のしようがないし、姫マツタケといった納得できるものとの出会いもないからです。ガンに打ち勝つには
患者が賢くなることだとつくづく思います。
|