ヒメマツタケの抗腫瘍作用をはじめとして多彩なBRM(生物的応答調整剤)様作用に関する最新の研究成果が、1999年8月に千葉市の幕張メッセで開かれた
第5回日本がんコンベンション(主催:アメリカ癌コントロール協会)で発表されました。
ヒメマツタケ研究の第一人者である前三重大学医学部助教授の伊藤均氏(菌類薬理研究所所長)が講演したもので、以下にその講演要旨を紹介します。
姫マツタケ(学名:Agaricus blazei Murrill) [正式和名:ヒメマツタケ、別名カワリハラタケ(原色日本菌類図鑑、1987年保育社発行)]は、ハラタケ属(アガリクス)のキノコに位置する。
姫マツタケは、岩出亥之助博士により命名された固有のキノコ名であり、1982年以来、日本癌学会、日本薬理学会、日本細菌学会などの学会やいろいろな学術雑誌に
発表しており、「アガリクス」「アガリクス茸」という名称で研究発表をこれまで一切していないことを強調したい。
〇「ガンの封じ込め」が観察される〇
姫マツタケ子実体及び培養菌糸体由来多糖体(ATOM:Antitumor Organic Substance Mie)は、動物移植固形腫瘍、腹水型腫瘍に有効であり、
さらにルイス肺癌の肺転移を抑制する事を報告してきた。この抗腫瘍活性成分の中でも特に「β-(1-6)-Dグルカン・蛋白複合体」、「リボヌクレオチド蛋白」、
「グルコマンナン・蛋白複合体」が高い抗腫瘍性を示す。
これらの抗腫瘍性多糖体は、培養細胞系に対して直接的な細胞毒性作用を示さない。また腫瘍の退縮過程において
腫瘍組織自身にも特別な病理学的所見はみられず、周辺部の結合組織の増殖が顕著で、いわゆる「ガンの封じ込め」像が観察され、
宿主仲介性の抗腫瘍効果を発揮しているようである。
抗腫瘍性多糖体は、FITC蛍光抗体法やヒト血清を用いた抗原抗体交叉免疫電気泳動法によりC3(補体第3成分)conversion 活性を導くこと、
また細網内皮系機能、マクロファージ、全T細胞・ヘルパー/インデューサーT細胞、NK細胞などの賦活作用を示し、さらに、インターフェロンを含む各種のサイトカイン誘起作用などをもつことが証明されている。
〇姫マツタケは生物的応答調整剤〇
姫マツタケは、数多くの成分をバランスよく含み、生体のホメオスタシス(恒常性維持機能)を調節し、
抗腫瘍活性を発揮する他、肝障害改善作用、抗アレルギー作用、消化管運動亢進作用、脱コレステロール作用、血糖降下作用、ビタミンD2様作用など、
多彩なBRM(Biollgical Response Modifiers:生物的応答調整剤)様作用を持つ食用キノコであることが、基礎・臨床的実験により証明されている。
免疫力を高め、生体のホメオスタシスを正常に修復する姫マツタケは、まさに東洋医学的な側面をも有する。
将来有望な免疫機能賦活性食品の素材として注目される。
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